文化・芸術

穴人間:鬼束ちひろインタビューより

papyrus (パピルス) 2008年 04月号 [雑誌]

papyrus(とても好きな雑誌)の4月号の、鬼束ちひろのロングインタビュー&特集を読んでいた。04年に体調不良を理由に突然の活動休止をし、昨年音楽シーンに復帰をした。特にファンなわけでもないけれど才能のあるアーチストとして認識していたので興味を持って読んでいた。そこには彼女の生まれながらに持つ理由なき、生きることへの辛さや大きな劣等意識やもやもや感が語られていて、自分のことを生まれつき黒い穴がある穴人間と呼んでいるが、それが彼女の作品を生み出す原動になっているともいう。劣等感を感じるのがいやで人間関係から逃げているのかもとも。

わかるなぁと思ってしまった。要するに、自意識が強いんだよね。こういうのって。わたしもあまりにも劣等感が強すぎて、自分の存在が恥ずかしすぎて、本当に往来を歩いているのだけでも恥ずかしくて恥ずかしくてほんとごめんなさいてな感覚にまいってしまうことありで、というかそのこと自体が恥ずかしいし。。。あまりにも自信がなくて、それこそ「劣等感を感じるのがいやで人間関係から逃げている」なんてアリアリでしょ。とよくわかる。しかも変わった家族ではあるけれどとても仲がいいし、その他あらゆる要素においてとても恵まれている思うのに。

理由なき不安やそれゆえなおさら抱く自分への嫌悪。孤独ともいいがたい奇妙な不安感。鬼束ちひろみたいに、若くして成功して才能あふれる人間でもそうなのなのかーと思いながらも、逆に、彼女みたいに表現者だからこそ考えすぎて抱いてしまうけれど、ふつーの人だって案外抱えてるもんだよ、とか言ってあげたくなったりもした。

そこから抜け出すために、自分を大切な存在だと思いたくて、わたしの場合がむしゃらに仕事に頑張ったりもした。もう死んでもいいからやり遂げようと仕事に対して思い過ぎ、結果自分をすり減らし、こてんとなってしまったりもした。しかもそんなことで得た自信は結局まやかしで。そんなことよりも誰かの一言や存在だけが自分を大切に思い始めるきっかけになったことにやっと気づいたりで、自己完結の中で自分に自信を持てることなんてないんだなとほんと思う。

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シェアハウス:ラストフレンズを観て思い出した

木曜22:00からフジテレビで放映している「ラスト・フレンズ」という若者ドラマを観ていた。上野樹里や長澤まさみや瑛太など人気の若手俳優5人(そいえばこの前渋谷を歩いてたら知らない女性にこのドラマにも出演している水川あさみさんに似てる!と突然言われた)が出演しているDVなどいろんな問題を取り扱ったとってもシリアスな内容で、最近の流れの明るく楽しい涙あり笑いありの青春ドラマとは一線を画している。昔こんな暗めのシリアス系ドラマが流行ったときもあったなーと思ってみていた。とにかく、あまりにもそりゃー極端でしょという脈絡のない男の暴力やそれを逆なでするような女の言動や、足を踏んだりわざとらしくぶつかったりするといった職場で受ける韓国ドラマ風のいじめに突っ込みを入れながら観つつも、あまりにひどい暴力にショックで不覚にも涙をこぼしてしまったりもする。

このドラマの男女が住んでいるのがシェアハウスという、日本ではなじみが浅いシステムなのだが、平たく言うと、知らない人同士がひとつの家を共同で使うということで、とはいってもベッドルームは一人一つ与えられ、リビング、キッチン、バスルーム、トイレなどを共同で使うことが多い。わたしの友人も下北沢にあるシェアハウスに住んでいて、遊びにいったことがあるのだが、年齢、国籍、性別、仕事もさまざまな人たちが住んでいて実に楽しそうであった。多国籍なムードが独特でうらやましいなと思う反面、自分がここに住んでいたら、いったい日本の会社で働く企業人としての自分と帰ってきてここで過ごす自分とのバランスはとれるのだろうか、いやとれまい。と思ってしまったほど、楽しそうで、また日本のふつーの企業で働く社会人とはなんかやっぱ異質な感覚でいっぱいだった。

とはいうわたしもかつてシェアハウスに暮らしていた時期がある。もう8年ほど前であるが、学生時代にアメリカに留学していたとき、シアトルのワシントン大学の近くのUniversity-districtというところでシェアハウス生活をしていた。なんか知らないけど、一晩中どの部屋からも物音が聞こえてくるような、にぎやかな生活で、その地域自体が学生街でにぎやかということもあり、まぁさびしかったり退屈することもなかった。

トイレットペーパー一つでさえもうっかり目を離すともってかれてしまうようなところなので、トイレに行くときはマイトイレットペーパーを持参しかならず持ち帰らなければならない。うっかりキッチンにクッキーを置いて一瞬部屋に忘れ物を取りに戻ったら瞬時にもちさられていた時には、「日本では食いもんはとられねーよな。。さすがだぜ。」と感心した。

隣の部屋の男子学生は、いつもへたくそなイマジンの弾き語りをくりかえし、感情こめてるのはいいがいっつも同じ所で止まるんで最初は好きな曲だけにいらつきもしたが、すぐに慣れてしまっていたら、ある日ガールフレンドが遊びにきて、練習の成果あってなんとか最後までイマジンを弾き語り終えたときには、思わずわたしも隣の部屋からブラボーといってやりたい気分に浸りつつワインなど飲んでいた。

他にもほとんど毎晩のように派手な声をあげながらコトにいそしむカップルや、廊下をパンツやバスローブで歩いてるやつらや、いかつい外見とはうわはらな面倒見のいいバンダナ男や、変な女と思わず口論になったり、リビングで誰かがとったピザを食べながらみんなで映画鑑賞をした週末の日々など、今思うと本当におかしいことばっかでいい思い出だ。

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